佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

深川黄表紙掛取り帖

7月3日

深川黄表紙掛取り帖

元禄バブルの厄介事を
若い四人がスカッと解決

IMG_0155

『深川黄表紙掛取り帖』(山本一力/著・講談社文庫)を読みました。

裏表紙の紹介文を引きます。

カッコイイ奴らが、金に絡んだ江戸の厄介ごとを、知恵で解決する裏稼業。定斎売りの蔵秀、長身男装の絵師・雅乃、文師・辰次郎、飾り行灯師・宗佑の若い四人が力をあわせ、豪商・紀伊國屋文佐衛門とも渡り合う。大店が桁違いに抱えた大豆を、大掛かりなアイディアで始末する「端午のとうふ」、他4編を収録。

時は元禄七年七月、よろず引き受け屋を裏家業にする四人の若者の活躍劇。四人の機知が元禄バブルに踊ったよこしまな奴らの鼻を明かします。江戸深川の粋、何よりも見栄を大切にする気質がよく描かれています。読んで痛快、読後感爽やか。シリーズ化された模様で第二弾『牡丹花』が発売されています。

主人公の四人の表家業は次のとおり。

  • 蔵秀――夏場の3ヵ月だけ夏負けの特効薬を商う定斎売り。
  • 辰次郎――富岡八幡宮門前の印形屋の次男坊。絵草紙本作家を目指している。
  • 宗佑――飾り行灯師。明かりを使った細工ものの名人。
  • 雅乃――尾張町の小間物問屋のひとり娘。絵師。

本書はコンゲーム小説としての楽しみが一番ではあるが、蔵秀と雅乃のお互いを想う淡い気持ちの行方も気になるところ。シリーズの中でどう進展していくのか注目。

 

 

 

ウェルズの本棚booklog.jp