9月9日
人生を変えた時代小説傑作選
今は、臆面もない連中が、いろんなことを全部、俺がやった、俺がやった、あれをやった、これもやったって言いまくっている。で、人を責めることしかしない。
『入れ札』は、自分で自分に札を入れるということがどれほどみっともないことだったのか、ということを説いてくれている。このへんがかつての日本人の心の敷居だったんだろうな、と思うんですよ。
(本書P282、山本一力氏談)
『人生を変えた時代小説傑作選』(山本一力・児玉清・縄田一男/選、文春文庫)を読みました。
裏表紙の紹介文を引きます。
自他ともに認める時代小説好きの三人が、“人生を変えるほどの衝撃を受けた”短篇小説を二篇ずつ選んだアンソロジー。菊池寛「入れ札」、松本清張「佐渡流人行」、五味康祐「桜を斬る」、藤沢周平「麦屋町昼下がり」、山田風太郎「笊ノ目万兵衛門外へ」、池宮彰一郎「仕舞始」。一度は読みたい選りすぐりの名作、全六篇を収録。
上記紹介文にある六篇の選者は以下の通りです。
「人生を変えた」とは些か大げさかと思うが、それぞれ珠玉の短編ばかり。「読まずに死ぬのはもったいない」と言っておきたい。