まずは出版社の紹介文を引きます。
「神の罰より、主君の罰を恐れよ、主君の罰より、臣下、百姓の罰を恐るべし」。戦国の世で、神の愛のため戦うと誓った黒田官兵衛。土牢の幽閉から逃れ信長への謀反に暗躍、秀吉の懐刀となり勇名轟かせた策士でもあった。「民を貴しとなす」とした稀代の名将の真の姿が、新直木賞作家による渾身の筆で現代に甦る。
今、話題の人、黒田勘兵衛とは何者ぞと興味があり本書を読んだ。うーん、なんだかなぁ。この小説の主人公黒田勘兵衛にも、準主人公ジョアン・デ・トルレスにも思い入れることなく読み終えてしまった。時は戦国時代、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、大友宗麟、高山右近、竹中半兵衛、細川ガラシャ・・・、登場人物は多士済々、信長や秀吉が覇者となっていく過程にキリシタンと南蛮文化が影響したという視点も面白い。しかし正直なところ小説世界に入り込めなかった。なんだかなぁである。