『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』[DVD]を観ました。RAILWAYSシリーズ第1弾。中井貴一 (主演)、 錦織良成 (監督)、2010年日本映画です。
まずはウィキペディアからあらすじを引きます。
主人公・筒井肇は大手家電メーカーの経営企画室長。取締役への昇進が内定するなど、東京で妻子とともに暮らす彼の人生は一見、順風満帆そのものだった。そんなある日、故郷・島根に住む肇の母が倒れたという一報が入る。さらに親しかった肇の会社の同期が自動車事故で亡くなった。久々に帰郷した肇は家庭を顧みてこなかったこれまでの人生、そして今後の人生について考えた。そして自分の子供の頃の夢だった「一畑電車の運転士になる」ことを実現すべく会社を退職し、一畑電車に中途入社することとなった。晴れて運転士となったのは肇の他にもうひとり、肘の故障でプロ野球入りの夢を絶たれた青年・宮田がいた。
バタデン(一畑電車)が良い。何が良いかといって、宍道湖畔をのどかに走る姿が良い。レトロな車両が良い。デハニ50形をはじめ、東急、京王、南海から移ってきたものだ。そして自転車を携えて乗れるのが良い。ドイツではそうしたこともできるが、日本のほかの鉄道では自転車をばらして袋に詰めないと持ち込めない。それがバタデンは310円の自転車持ち込み料金を払えば、そのまま電車内に自転車を持ち込んで乗れるのだ。偉いではないか。私は松江という町と松江から出雲までのサイクリングロード、そして一畑電車が好きで、過去何度も島根県を訪れている。
さて物語は東京の大手メーカーに勤め、いずれ役員になれそうなエリートサラリーマンが、一人故郷に住む母親の病気を機に会社を退職し、幼い頃からの夢であったバタデンの運転士になるというもの。現実にはそんなことありえないだろうと大方の人は思うだろう。生き方にはいろいろある。人生いろいろ、人の価値観もいろいろである。幸せのかたちはその人の考え方次第。大学を卒業時に実家に帰って地元の企業に就職した私には、この映画の主人公の考えがよくわかる。
『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』を観て、本作を観た今、この秋は福井県と島根県、どちらを旅しようかと悩んでいる。バタデンは大好きだが、富山地鉄もなかなかのものだ。ロードバイクで宍道湖を眺めながら走るか、雄大な立山連峰を眺めながら走るか、うーん、迷ってしまう。いっそ両方行こうか。