2024/01/16
『わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく』(三浦しをん、西加奈子ほか:著/ポプラ文庫)を読んだ。
まずは出版社の紹介文を引く。
大好きなお店の一皿で、気分があがる。キラキラとした幸福感が染み入る「鴨ロースト」、憂鬱の原因が汗とともに流れ出ていく「ガパオ」、幸福だった子どもの頃の記憶を呼び覚ます「ピネライス」、毎年春になるのが待ち遠しくなる「よもぎ餅」――自身にとっての「名店」と特別な一品を28名が想いを込めて綴るエッセイ集。エッセイに登場するお店の情報も掲載。
◎作家一覧(掲載順)
三浦しをん、西加奈子、中江有里、美村里江、宇垣美里、清水由美、山田ルイ53世、塩谷舞、稲垣えみ子、道尾秀介、ジェーン・スー、岡崎琢磨、バービー、朝井リョウ、瀬尾まいこ、佐藤雫、清水ミチコ、あさのますみ、畠中恵、はるな檸檬、小川糸、久住昌之、川内有緒、澤村伊智、朱野帰子、最相葉月、藤岡陽子、森見登美彦
年に4回発行している、ポプラ社の文芸PR誌『季刊asta』に「わたしの名店」という題で掲載されたエッセイを文庫化したものらしい。作家やエッセイスト、タレントなどそれぞれの思う名店を紹介するエッセイ。
「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを言いあててみせよう。」と言ったのはかの美食家サヴァランだったか。なるほど、人がどのような店を名店と評するかで、その人が分かろうというもの。
読んでいて私もおいしい一皿に会いにいきたくなった。三浦しをん氏のイタリアン、西加奈子氏の居酒屋(?)、中江有里氏の蕎麦屋・・・。なかなか行く機会はないだろうなと思いながらもGoogleマップに印を入れていった。
そもそも本書を読もうと思ったのは森見登美彦氏のエッセイが掲載されていることを氏のブログに書いてあったのを発見したからだ。私は長らく登美彦氏の文章に飢えているのだ。だから、たとえ数頁の短文であってもありがたく読ませていただいた。登美彦氏が紹介した店を知って、あらためて登美彦氏が好きになった。あと一週間ほどで待ちに待った新刊『シャーロック・ホームズの凱旋』が手元に届く予定である。よきことかな。