佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン/著、上遠恵子/訳、森本二太郎/写真・新潮社)

7月25日

センス・オブ・ワンダー The Sense of Wonder

 雨の日は、森を歩きまわるのにはうってつけだと、かねてからわたしは思っていました。メインの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなります。針葉樹の葉は銀色のさやをまとい、シダ類はまるで熱帯ジャングルのように青々と茂り、そのとがった一枚一枚の葉先からは水晶のようなしずくをしたたらせます。
 カラシ色やアンズ色、深紅色などの不思議ないろどりをしたキノコのなかまが腐葉土の下から顔を出し、地衣類や苔類は、水を含んで生きかえり、鮮やかな緑色や銀色を取りもどします。
                    (本書P18より)

 

IMG_0266

センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン/著、上遠恵子/訳、森本二太郎/写真・新潮社)を読みました。

amazon の商品紹介文を引用しましょう。

化学薬品による環境汚染にいち早く警鐘を鳴らした書として、いまも多くの人々に読み継がれている名著がある。『沈黙の春』だ。その著者レイチェル・カーソンの遺作として、彼女の友人たちによって出版されたのが本書である。

   本書で描かれているのは、レイチェルが毎年、夏の数か月を過ごしたメーン州の海岸と森である。その美しい海岸と森を、彼女は彼女の姪の息子である幼いロジャーと探索し、雨を吸い込んだ地衣類の感触を楽しみ、星空を眺め、鳥の声や風の音に耳をすませた。その情景とそれら自然にふれたロジャーの反応を、詩情豊かな筆致でつづっている。鳥の渡りや潮の満ち干、春を待つ固いつぼみが持つ美と神秘、そして、自然が繰り返すリフレインが、いかに私たちを癒してくれるのかを、レイチェルは静かにやさしく語りかけている。

   そして、レイチェルが最も伝えたかったのは、すべての子どもが生まれながらに持っている「センス・オブ・ワンダー」、つまり「神秘さや不思議さに目を見はる感性」を、いつまでも失わないでほしいという願いだった。そのために必要なことは、「わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる」ことだという。本文中に挿入されているメーン州の海辺、森、植物などをとらえた写真も美しい。『沈黙の春』と同様、読者の魂を揺さぶらずにはおかない1冊である。(清水英孝)

 

 

ひさしぶりに子供の頃に見た雨の日の森、水を含んだ地衣類の緑の美しさを思い起こしました。

虫眼鏡で覗く世界のワクワク感を思い出しました。

植物図鑑と昆虫図鑑を買って、虫眼鏡を持って出かけたくなりました。

出かけた先で、ふと目にとまった草花や昆虫を写真におさめ、家に帰ってから図鑑を覗く。

そんな楽しみも人生にはあって良い。

レイチェル・カーソン氏の文章も素敵ですが、森本二太郎氏の写真が素晴らしい。

 

 

 

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

 

 

 

 

ウェルズの本棚booklog.jp