2025/12/31
『山の眼玉』(畦地梅太郎:著/ヤマケイ文庫)を読んだ。
まずは出版社の紹介文を引く。
畦地梅太郎の郷里である愛媛の山々や奥秩父、北アルプスなどの山行を綴った47編におよぶ紀行随想集。文章に合わせて随所に挿絵が入り、絵本としても楽しい画文集。巻頭に代表的な「山男シリーズ」など、カラー16ページで口絵を組み、独特の畦地ワールドを再現している。
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2025年の読み納めはこれだ。今年の秋、松山の美術館で出合い、すっかり惚れ込んだ畦地梅太郎氏の画文集。
秋にエリエールゴルフクラブ松山で知人たちとゴルフをするために松山を訪れた。一年前から計画し、満を持して松山に集まったのだが、あいにく私はその数日前に肉離れをやってしまって前日の宴会のみ。ゴルフ場までは一緒に行ったが、プレーはかなわず、私ひとり松山の美術館めぐりをしたのであった。正直なところウキウキした気分とはほど遠かった。しかし愛媛県美術館で畦地梅太郎氏の版画と出会って「これは儲けた!」と思った。人間万事塞翁が馬。ケガをして暇つぶしにブラブラしたことで出会うことができた僥倖。本書を含め画文集を二冊、額入りの版画をひとつお土産に買って帰った。その一冊を今日読んだ。今年の収穫である。
何と言ったら良いのか、失礼ながら上手な文章ではない。気の利いたことを書こうなんて気は全くなさそうだ。小学生、中学生が思ったまま書いたような文章だ。挿し絵だってそうだ。技巧を懲らそうなどと考えず、自分の感じたままをササッと描いたように見える。それでも文章も画も畦地梅太郎そのもののように感じる。”素直(すなお)”という言葉がそのまま当てはまるのではないか。読んでいて畦地梅太郎が好きならこれほど楽しいことはない。しかしそうでなければ、つまらない本かもしれない。まずは愛媛県美術館で畦地氏の作品を観ていただきたい。
(追記)
「登山と読書」という章に次のような文がある。
ヒマラヤに通ずる極地法などというきびしい登山や、また、重いザックをかついで、連嶺を縦走する山男的登山にしても、そうした登山では体力の消耗がひどく、本など読む心の余裕はないと思う。
・・・・・・(中略)・・・・・・
しかし、時間の余裕もあって、高原などをぶらつく登山の場合などは、草原にねそべって、本など読めば楽しいだろうと思っている。
年齢のせいかもしれないが、わたしなども最近そうした肩のこらない、楽しい登山をしてみたいものだと思うようになった。
まったくそのとおりだなぁと思う。私は登山をやらないが、サイクリングをやる。ロングライドの大会に出たこともあるが、センチュリーマイルを十時間以内で走りきるとなると、景色をのんびり楽しんだり、まして本を読んだりという余裕はない。8時間ほどで走りきれるとしても、途中ねそべって日向ぼっこなどする気にはならないものだ。だから一日せいぜい70~80kmの距離までに抑えて、のんびりゆっくり走る。そんなサイクリングが良いなと思う。
